珍問

カレンダーの謎

投稿日:

久しぶりに実家に帰ると、亡くなった母を思い出す。
母は認知症だった。
身の回りの世話をつきっきりでしていた父を困らせてばかりいた姿が目に浮かぶ。

そして今は亡き母の書斎に入った時、私は初めて違和感を覚えた。
母にプレゼントしたカレンダーが見つからない。
何の気無しにテーブルを漁ると、ハサミでバラバラにされた幾つかのカレンダーの切れ端が順序良く並んでいる事に気が付いた。
母はどんなに呆けていても、私のプレゼントは大切にしてくれていたのにと…私はショックを受けた。
私は感傷とともに並べられた日付を整理した。

4/4 4/4 4/10 6/11 3/1 6/12 5/6 7/2 6/7 6/17 4/10 4/14 5/16

私は一枚だけ向きが逆になっている6/17に気づき、他の日付と同じ向きに変えていると、一階の父が私を呼んだ。
今日から五年振りの父の手料理が食べられる。
感傷を胸に押し込み、私は母の書斎を後にした。

-珍問
-,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

彼女からの手紙

昨日彼女に浮気がばれた。 夕方仕事から帰ると郵便受けに彼女からの手紙が入っていた。 まじいをこっにくこんてはかろやて家らしきねで9にみ なんだこの手紙は ビンゴのように等間隔に書かれている。 晩飯を食 …

とあるひき逃げ

去年、友人の妹が車にはねられて死んだ。ひき逃げだった。 犯人はまだ捕まっていない。 その悲しみせいか、去年の誕生日に友人は祝ってくれなかった。 今日の誕生日、友人は久し振りの笑顔を見せた。 そして、誕 …

no image

山小屋 その2

1人の男が、雪山で遭難した時のことだ。 あてもなく歩きつづけていた男は、やがて猛吹雪の中で1軒の山小屋を見つける。 男は荒れ狂う吹雪から身を守るために、山小屋の中へと入っていった。 ところが、その山小 …

予測変換

携帯電話でメールを作成する時等に使う便利な機能の一つ、予測変換に関する話。  なおひと(仮名)にはかすみ(仮名)という彼女がいた。  なおひとはかすみに 「かすみは土曜日どこに行きたい?」  という内 …

ごめんな

ドンッドン! 友「本当に、本当にごめんな・・・。」 俺「おいやめろって!」 友「妹が・・妹が病気で・・金がいるんだ!」 俺「大丈夫か?気をしっかり持てよ・・・。」 友「・・・ありがとう・・・」 俺「に …