国民年金

ドンドン

俺はボリボリ頭をかき、眠り眼のまま玄関先に向かう

不快感を露にしながらドアを開けるとそこには

黒縁眼鏡にペッタリとしたポマード臭漂う七三に分けた男が立っていた 

面識はない 新聞の勧誘か すると男は口を開いた

「どうも 私、厚生省から参りました 突然の訪問でご迷惑おかけします

Aさんは国民年金に未加入ですよね」

何だよ 国民年金て 俺、学生だぜ

「はぁ、まだ学生なんで払わないでもいいんじゃないですか」

「いえいえ、20を過ぎたら出来れば収めて貰いたいのです 国民義務

ですから」

「任意って意味ですか」

「まあ、そうですね」

「折角ですが、就職してから払います」

「そう言って社会人になってからも未加入者が増加してるんですよ」

その言葉にむっと来た

「あんた、借金取りか。その社会人とこでも行きやがれ。学生に払う義務なんてねぇんだよ」

「国からの保障も獲られるんですよ・・・・・」

男の言葉が終わる前にドアを閉めた その夜 俺は通り魔に襲われた

命に別状はないが金属バットで殴打された箇所が悪く、この先車椅子を手放すことはないだろう

知人の紹介で重度障害者年金の手続きに向かうと

「すいませんが、Aさんは受けられませんね。20歳を超えて国民年金

に加入していないと国は補償する義務はないんですよ」

黒縁眼鏡にポマードで撫で付けた七三の男は冷笑するように言った

ポマード臭が鼻につく そう言えば、俺をこんな身にした犯人も捕まってはいない。

手掛かりは現場に投げ捨てられていた金属バットだけだがどこぞの学校から盗まれた物らしく、犯人に結びつけるには乏しいとの事だった

ただ学校の私物にしてはにつかわないポマード臭がしていたと言う刑事の話を男の匂いで将来の不安と共に思い出していた

私リサ、6歳。

私リサ、6歳。

リサは最近嬉しいの。だってパパが早く帰ってくるから。

いつもは夜遅いのに、最近は学校から帰ったら毎日おうちにいるの。

いっぱい遊んでもらえるの。だから、リサは今とっても幸せ。

この前はね、パパとママとリサで一緒に洗濯物をたたんだの。

干してあるヤツを部屋に入れて、たたんで、押し入れにしまったの。

リサ、とっても上手にできたんだよ。だからね、今は毎日やってあげてるんだ。

こないだ学校から帰ったらね、パパもママもいないの。

タイクツだからまた洗濯物をたたんであげたの。

でもね、パパとママのズボンはまだたたんでないの。

いつもと違って部屋に干してあったんだけどね、いくら引っ張っても取れないの。

ズボンにくっついてた靴下は取れたんだけどね。

だからまだ部屋にぶら下がったまま。ママに取ってもらわなきゃ。

あ〜、パパとママ遅いなぁ…。おなかもすいたなぁ…。

リサね、もう3日何も食べてないの…。

合コンでできた彼女

いやー・・・

久しぶりの合コンは楽しかったよ。

なんと、それで彼女が1日で出来たんだよ。

俺の部屋に入れて、しばらく話してたら、

彼女が突然「用事あるから帰る」って言い出しちゃって・・・

でももっと話したいから、俺の部屋の合鍵渡したんだ。

それで、彼女が帰った後に1人で飲んでたら急に眠くなって、

でもチェーン閉めてる事確認して、寝たんだ。

翌日、遅くまで寝てたら、彼女がチャイム押して部屋に入って来てさ、

「まだ寝てたんだ。朝ご飯食べて無いでしょ、私が作ってあげる」

と言って朝ご飯作ってくれたんだよな。

いい彼女が出来たな、とか思いつつ作ってくれたのを食べた。

美味しかったが、しかし、俺は気付いてしまった。

もう彼女とは関わらない事にした。

香水の匂い

いや〜、駅はいっぱい人が来るからさまざまな人が便所を利用するもんだw

ある日、背の高い女性が入ってきて来たんだ。

そりゃまた香水の匂いがきつくてねw

個室からでた後、鏡見て、念入りに化粧して顔を直してたの。

しばらくしたら、若い子が便所から出たのと続いて彼女も出て行ったんだけどね。

それから翌日、その女が紙袋を持って、また異常なほどの

香水の匂いをぷんぷんさせてやってきて個室に入っていったの。

便所中が香水の匂いするぐらい充満してた。

少したっては、ゴゴゴゴ、

また少したってはゴゴゴゴ、

流す音がすごいんだよ。

で、2時間ぐらいは個室にいて、便所の外に出たと思ったら、また入って来て同じことを繰り返す。

ね、変でしょ?

まぁ、私は彼女の事、知ってるんだけどねぇ〜

最終バス

最終間近の路線バス。

すこし酔っていたせいかうつらうつらとしていると、降車ボタンが押された音にはっと目を覚ます。

次は私の降りる停留所。いかんいかん乗り過ごしていたら大変な所だった。

私が一人降りると乗客の居なくなったバスはそのまま発車する。

客が居ないのにご苦労なこったな