自転車のカゴ

昔から霊感の強かった叔母は、その日もイヤなものに出会ったという。

前から自転車を一生懸命こいでるおばちゃんが目に入った。

坂道でもない平坦な道なのに、そのおばちゃんは汗をかきながら苦しそうに自転車をこいでいる。

はて?

そう思った叔母が遠目ながらその自転車のカゴを見ると、

なんと生首が乗っかっているではないか。

眼球が無くぽっかり空いた空洞が、そのおばちゃんをにらんでいた。

「あれはとんでもなく悪い霊だ、あの人に教えてあげなきゃ…。
でも、まともに相手してくれないだろうけど…。」

と、叔母はそのおばちゃんに話しかけようか迷っていたが、

やはりこのままでは良くないと伝える決意をした。

そして、いよいよそのおばちゃんとすれ違うとき。

「あの」

と言い掛けたその瞬間、おばちゃんがポツリと言った。

「知ってます」

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足はいらんかね

ある日の放課後、

下校途中の男の子が奇妙な老婆が話しかけられた。

「足はいらんかねー、足はいらんかねー」

男の子は無視して通り過ぎようとするが、

老婆は思ったよりもしつこく

「足はいらんか〜足はいらんか〜」

と繰り返し問いかけてくる。

「足なんて、いりませんよ!」

男の子はうっとうしそうに語尾を荒げて断った。

「ぎゃー!」

夕方の街角に絶叫がこだました。

その声を聞いて、駆けつけた人々は息を呑んだ。

そこには、足をもがれた男の子がうずくまっていた。

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天国に一番近い秘境

フリーライターの俺は、今、アフリカの某所に来ている。

今回の取材のテーマは「天国に一番近い秘境」。 

カタコトの日本語を操る現地人通訳と2人で、 

山奥の村に向かっているところだ。 

俺たちが村に着くと、ガリガリに痩せた村人たちが出迎えてくれた。 

日本人が珍しいのか、それとも元来陽気な性質なのか、 

まるで祭りのような彼らの歓迎ぶりが妙に気恥ずかしい。 

長老らしき爺さんに挨拶を済ませた俺は、ある小屋へ案内された。 

ここは、風呂…だろうか。 

長旅の疲れを取ってくれ、ということか。素直にありがたい。 

通訳がニコニコしながら言う。 

「オ湯、入タラ、ゴ馳走、ナリマス」 

風呂の後には宴会か、そりゃあいい。 

俺は上機嫌で、薬草のようなものがたくさん浮かぶ湯船に飛び込んだ。 

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心の底から望んでいる願い

「どんな願いでもかなえてやろう。ただしひとつだけ、な」

と魔神は言った。

ひとつだけ、か……。

富。

いや、名声。

いや、美女。

いや、絶対権力。

いや、不老不死。

いや、世界平和。

いや、究極の快楽。

いや、宇宙の真理の解明。

いや、悟り。

いや、時間旅行。

いや、超能力。

いや、他の生物に生まれ変わる。

いや、なんか漠然と「最高の幸福」。

いや、 ……だめだ、決められん! 

悩んだ末、おれは魔神にこう頼んだ。 

「今挙げた中で、おれが本当に心の底から望んでいる願いをかなえてくれ!」 

「わかった。それでいいんだな」 

魔神はそう言って消えた。 

それから一年。 

いまだにあの時かなえられた願いが何だったのか、よくわからない。 

もうすぐ戦争が始まる……。  

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道路標識

道路標識の「!」 

あれは「その他の危険」

の意味だけど、なんだかおかしいと思いません? 

「その他」って何? 

それにだいたいは「!」の下に 

「倒木注意」とか「路肩注意」とか「波浪注意」とか 

具体的に何に注意すれば良いか、 

補助標識が付いているもんだけど、、 

それが何もついていない 「!」 だけの標識は 

具体的な理由が書けないから、 

そう本当の理由は 

「幽霊注意」 

貴方の家の近くや 

よく通る道路に、

下に何の補助標識もついていない 

「!」 はありませんか? 

傍を通る時は、

くれぐれも運転に注意して下さいね。  

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邦画のDVD

以前付き合っていた彼女が亡くなったと連絡があった。 

付き合っていたのはもう随分と前の話なんだけど… 

別れを切り出したのは俺なんだが、どうしても彼女が納得してくれなくて、 

軽くストーカーまがいの事をされたこともあるんだよね。 

だから葬儀には行かなかったんだ。 

いや、いい思い出だってたくさんあったんだけどね…

二人共映画好きだったから、 

よく一緒に見に行ったりしたなぁ…。 

ところで昨日、彼女から宅配便が届いたんだ。 

中身は一本の邦画のDVDだった。 

どうやら亡くなる直前に発送したみたいなんだけど、

彼女…自殺だったらしいし、 

ちょっと不気味だなぁと思ってなかなか開けられなかったんだよね。 

そしたら普通の有名な感動モノだった。 

俺が竹内結子好きなの覚えててくれたんだなぁ。 

何か、気味悪がっちゃって申し訳ないから今から心して見るよ。

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写真屋さん

まぁ、世の中には色々なマニアがいるものだ

そんな事を思ったのと同時に恐怖を感じた事がある

あれは俺が小学校高学年の頃だったから今から10年位前かな

近所に「写真屋さん」って呼ばれてる50歳代と思しきオッサンがいたんだ

でも、これは親しみを持った呼び名ではなく

軽蔑を込めた呼び方だってのはあとから知るんだけどね

ある日、一人でリフティングをやって遊んでいると

「写真屋さん」の家にサッカーボールが転がっていってしまったんだ

特に怖いという印象は無かったから抵抗は無かったんだけど

考えてみれば生まれてから一回も「写真屋さん」の家には入った事が無かったから

ちょっと躊躇したんだよね。

アウェーみたいな感じとでも言うのかな

思い切って中に入ると「写真屋さん」は洗濯を取り込んでたんだ

スイマセン・・・って中に入ると

「写真屋さん」は二コリと笑ってどうしたんだい?って聞いてきたんだ

実はボールが入っちゃったんですけど・・・知りません?って聞くと

裏口の方に行ったのかな?

って特に怒る事も無く一緒にボールを探してくれたんだ

で、すぐにボールは見つかったんだよね

礼を言って帰ろうとすると、「写真屋さん」は

麦茶でも飲まないかい?

って言ってくれたからお言葉に甘えたんだ。

母親からは他人の家でむやみにご馳走になっては駄目って言われてたんだけどさ。

暑くて喉が渇いてたんだろうな

麦茶のコップを交わしながら俺は

「写真屋さん」と初めてと言っても差し支えないくらいよく喋ったんだよね。

俺の事、俺の周りの事、くだらない世間話etc

そのうちに「写真屋さん」も自身の事を語り始めた

‘オジサンはある物を集めているんだ’ってね

そんな事を言いながら俺をある部屋に連れて行こうとするんだ

躊躇う俺を見ながら「写真屋さん」は

別に何かするわけじゃないから大丈夫だよ、と笑いながら俺を見るんだ。

コレクションを自慢したいんだ、とも言っていた

そこで、俺は「写真屋さん」に付いて行く事にしたんだ

「写真屋さん」は北側にある部屋の前で立ち止まった

そこはふすまで閉じられてて中は見えなかったんだよね

不思議な顔をしてふすまを見ている俺に向かって「写真屋さん」は

コレを見せるのは久しぶりだなぁ、

なんて嬉しそうに俺に話しかけてくるんだ

何なのか気になった俺は「写真屋さん」に早く見せてよ、とせがんだんだ

「写真屋さん」はニコニコしながらふすまを開けてくれた

そこは10畳ほどの結構広い部屋になってたんだけど・・・

俺は足がすくんだよ

部屋の壁にビッシリとある物が飾られていたんだよね・・・何だと思う?

遺影だよ、遺影。あの仏壇の中とか横とか上とかに飾られてるあの写真

それが何も無い部屋の壁にビッシリと飾られているんだ。

100枚はあったかな

爺さんもいれば婆さんもいる。

若い女の人もいれば子供もいる

俺は軽く眩暈がしつつも「写真屋さん」に聞いたんだよね

ここに飾ってある人って全部親戚か何かの写真なんですか?って

そうしたら「写真屋さん」笑いながら

‘この写真の人達なんて知らないよ’って答えるんだ

俺はすぐさま「写真屋さん」に聞いたんだ。

じゃあこの写真はどこから集めたのか、と

そうしたら「写真屋さん」

‘無人になった廃屋から拝借してるんだ’って言ったんだ

泥棒じゃないの?と俺が問うと、

持ち主がいないんだから・・・とお茶を濁してきた

何て言うんだろうか・・・?

遺影ってのは言ってみれば死んだ人間の生きてました、っていう証拠だ

コレがあれば昔は生きていたんだろうし、

コレがあることによって死んだ事が確認されている

あの部屋は死者の部屋だ。

あの部屋に入ると死んだ人間が一斉にこっちを見る

何も言わないが何か言っているようだ。

俺はクラクラしながら部屋を出た

「写真屋さん」は最初、

自分の奥さんと娘さん(何で亡くなったのかは知らないけど)の遺影が

ポツリと広い部屋の中にあるのは寂しいだろうという事で

様々な種類の遺影を集めたんだそうだ

そのうちに本来の趣旨とは外れていって

ただ単に遺影集めに没頭するようになったんだってさ

「写真屋さん」の家から帰る途中、もう一つある事を考えていたっけか

人間なんていつかはあの額縁の中に納まっちゃうのか・・・ってね

あれから10年くらい経ったけど、

俺も「写真屋さん」もまだ額縁の中には入っていない

それはそれでいいんだけど・・・

「写真屋さん」のあの部屋ってどうなってるのかな

2年前かな。増築してたっけ。

最近じゃ俺の町にも新しい人が多くやってきて住んでるから

「写真屋さん」の家の事も

「写真屋さん」っていう呼び名すらも知らない人が増えてきてるんだろうな

そんな新規の住人はみんな不思議がってたっけ

何で独り暮らしの老人が建て増しなんかするのか、ってね

俺含めて、古参の住人は何となく分かるけど何も言わないようにしてるよ

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本当に空気が読めない男

俺の友人の山田は本当に空気が読めない男だった。 

まわりから。KY、KYってよく言われていた。 

でも、人当たりはよくとてもやさしいやつだったんよ。 

おれが病気のときも付きっ切りで看病してくれたりしてくれた。 

でもそいつは、去年の暮れ死んでしまったんだよ。 

それも他殺で犯人もまだ見つかっていないらしいんだ。  

リンチ事件

公園でリンチ事件が起き、

主犯格の男子生徒1人とそのグループの学生4人が逮捕された

リンチを受けた少年は死亡していた

死体は埋められており、

ひどい暴行が加えられ失血死したものと思われる

事件の発覚は、リンチをする前に記念撮影と称して撮った

6人の少年達の写真からわかった

なお、○○市では昨月に主犯格の学生と

同校の男子生徒が行方不明となった事件も起きており

警察は主犯格の少年グループと

その事件との関連があるかどうかも追及する方針だ

拉致監禁

「拉致監禁事件が酷い物になってきていますね。今回の被害者は無事生きて帰ってこれてよかった」

「そうだな。かなりの虐待を受けていたようだし心の傷の治療も時間がかかるだろうが、生きているだけ同じ所に監禁されていた他の被害者よりマシだ」 

「加害者の家から彼女を発見した現場まではかなりの距離がありますね。きっと逃げたい一心で必死に走ったんでしょうね・・・」 

「ああ、彼女のおかげで犯人も捕まったし、他の被害者も浮かばれるだろう」 

「彼女はこれから大変ですね」 

「逃げられないように両足を切断されていたからな。治療が終わったらまずは車椅子に慣れる事からだ」