逃げられると思ったのか

勉強もできず、人とのコミュニケーションも下手。

こんな僕は、誰にも必要とされていないんだろう。

家では父のサンドバッグ。暴力はエスカレートしていく。

とても悲しかった。

「逃げられると思ったのか」

家出をしても、すぐに見つかった。いつもの倍殴られた。

とろい僕が悪いんだ。

妊娠している母は、姉と楽しそうに話しながら夕食を作っていた。

こんな辛い生活も、今日で最後だ。

意識が徐々に薄くなっていく。

こうすることを、望んでいたんだろう。みんなが、僕が…

ああ、死んでやるさ。お望みどおりな!

数ヵ月後

「元気な男の子です!」

おじさんっぽい声がそう言った。

僕は悲しくもないのに、大声で泣いている。

ゆっくり目を開けると、男と女が僕を見つめていた。

どこか懐かしい人達。

男は優しい声で言った。

「逃げられると思ったのか」

二つの死体

ある町で、男の刺殺体が二つ見つかった。

二つは顔貌からから死に方まで同じだった。

二つの死体のDNAは完全に一致し、

また凶器から死体以外の指紋は検出されなかった。

しかし、検案が終わり解剖へ回されようとした死体の一つが忽然と消えてしまった。

男の素性は全く分からず、解剖を終えた死体は単に自殺した無縁仏として処理された。

スイカ割り

今日は念願のスイカ割りだ。

仕事で多忙な日々が続いていたが、有給休暇を取って正解だった。

俺は今日一個買ってきたスイカを用意し、目隠をした状態で棒を構えた。

息子と妻が期待した目で見ている。

俺は棒を思いっきり振った

「パカァァァン」

どうやら粉々に砕けたようだ

息子に男らしい姿を見せたのは何年ぶりだろう。

俺は棒を振りかぶり、思いっきり振った

「パカァァァン」

今度もスイカは粉々に砕けたようだ

俺が楽しんでいる間に息子が眠ってしまったようだ。

今日は本当に楽しい一日だった。

俺は散らばったスイカを片付けた後に棒を振りかぶった。

七人ミサキ

四国の某県某村で、

男に手ひどく振られた女が身投げして七人ミサキになった所がある

七人ミサキとは、

自分が成仏するために七人の命を奪う地縛霊で、

そこでは男ばかり6人が変死した

しかし高名な坊主でも祓う事ができなかったこのミサキで、

数十年経つ今でも7人目の犠牲者は出ていない。

この女は、7人目を誰かに決めているのだろうか?

それとも成仏したくないのだろうか?

サルとボタン

サルを完全に破壊する実験って知ってる?

まず、ボタンを押すと必ず餌が出てくる箱をつくる。

それに気がついたサルは、ボタンを押して餌を出すようになる。

食べたい分だけ餌を出したら、その箱には興味を無くす。

腹が減ったらまた箱のところに戻ってくる。

ボタンを押してもその箱から餌が全く出なくなると、サルはその箱に興味をなくす。

ところが、ボタンを押して餌が出たり出なかったりするように設定すると、

サルは一生懸命そのボタンを押すようになる。

餌が出る確率をだんだん落としていく。

ボタンを押し続けるよりも他の場所に行って餌を探したほうが効率が良いぐらいに餌が出る確率を落としても、

サルは一生懸命ボタンを押し続けるそうだ。

そして、餌が出る確率を調整することで、

サルに狂ったように一日中ボタンを押し続けさせることも可能だそうだ。

精肉売り場

スーパーマーケットの奥には、肉や魚をさばいてパック詰めにしたりする場所があって、

売り場と扉で繋がっていることがよくある。

ワゴンにパック詰めされた肉や魚を乗せて出入りするから、見たことある人も多いと思う。

先日、近所のスーパーで買い物をしていると、

その扉から、店員がニ、三人あわてて出てきて

精肉売り場に来た。

「先輩、どこからどこまでがそうですか?」

「全部だ全部!!今日の分全部!!」

と、なにやらただ事ではない気配の会話をしながら、あわてて売り場の肉を片付けている。

そういえば偽装牛肉やら雪印やらの騒動もあったことだし、また何かあったのだろうか。

そう思って(半ば野次馬気分で)様子を見ていると、店の前に救急車がやってきた。

他の店員が外で応対をして、救急隊員は裏口に回っていったようだった。

食中毒患者が出たのだろうか。

飛び降り自殺

サイレンやら何やらで外が騒がしいので、様子を伺いに出てみた。

すると下の階で警察が現場検証?らしき事をしていた。

「何かあったんですか?」と尋ねると

「4階で飛び降り自殺があったんだよ。」

うわぁ、と思って思わず下を除いてみると、確かに下では誰かを搬送しているようだった。

「危ないから覗かないでね。」と言われ

俺だってあんまり長居したくないし、早々に自分の部屋へ引き上げた。

しばらくして、どうなったかな?と気になって外に出てみると、

まだ警察の現場検証が終わってなかった。

現場検証ってやる事いっぱいあって忙しいんだなーと思って

「お疲れ様です、現場検証って時間かかるんですねー。」

と警察に話しかけた。

すると、警察は

「いや、ちょっと不審な点が多くて時間がかかってる。」

と言った。

なんかあるんですか?と尋ねると、飛び降りたのは20代女性。

4階から飛び降りて即死だったらしいんだが、どうも飛び降りる以前に打撲の痕がある。

それに加え、階段に謎の血痕があり、結局それは彼女のものだったという。

いじめを苦にした自殺だろうなと思っていたが、風の噂でこんな事を聞いた。

恋愛と仕事の失敗で落ち込んでたらしい。

ヤバイ失敗

仕事でヤバい失敗をしちまった。

会社は首になって社員寮は追い出されて最悪だった。

俺結構いい歳だし、実家の両親に泣き付くのも躊躇った。

実家には長男夫婦が同居してるし、俺の居場所なんかない。

独身だし思い残すことも特にない、

この先の人生の不安を考えたら死んでしまった方が楽だと思い、自殺することにした。

色々な自殺系サイトで方法を調べてみたが、成功者の体験談とか読んでいたら怖くなってきた。

そんなときに実家から電話がかかってきてさ、母ちゃんの声を聞いたら、

俺が死んだら泣くんだろうなー、とか思っちゃって。

やっぱり辞めにしたよ。

電話しながら俺が泣いちゃってさ、母ちゃん超心配してくれた。

仕事見付かるまでの間、実家の世話になることにしたよ。長男夫婦も歓迎してくれた。

もうすぐ甥っ子か姪っ子が産まれる予定だから、その時は遊び相手になってくれって。

そんなめでたい事の前に、俺が死んだら迷惑だったな。

思いとどまってよかった。

意気地無しってよくいわれるけど、

そのおかげで今俺は生きてるんだ。

これからは両親に親孝行出来るように頑張るよ。

今住んでる所は古い木造の1DKアパートだけど、

周りは静かな住宅地でコンビニ、駅も結構近くて

家賃もそれなりなので気に入っていた。

で、そろそろ引っ越してきて1年経つし、連休が取れたので

大掃除しようと思った。

まずは天井の埃を落として、電球を取り替えて・・・

そのとき、ポトリと何かが落ちた。

照明のかさ?の上になにかあったらしい。

畳の上には小さく小さく折りたたまれた紙切れが数十枚ちかく散らばっている。

広げて見ると全部「凶」のおみくじだった。

未来の予言

1980年のある日、

撤去予定された家屋の中を作業員が整理していると、

子供が書いた筆跡があるノートを見つけた。

書いてあった内容は未来の予言のようなもので、

「平成10年 富士山噴火 平成20年 日本沈没 平成30年 地球滅亡 etc…」