逃げられると思ったのか

中級

勉強もできず、人とのコミュニケーションも下手。

こんな僕は、誰にも必要とされていないんだろう。

家では父のサンドバッグ。暴力はエスカレートしていく。

とても悲しかった。

「逃げられると思ったのか」

家出をしても、すぐに見つかった。いつもの倍殴られた。

とろい僕が悪いんだ。

妊娠している母は、姉と楽しそうに話しながら夕食を作っていた。

こんな辛い生活も、今日で最後だ。

意識が徐々に薄くなっていく。

こうすることを、望んでいたんだろう。みんなが、僕が…

ああ、死んでやるさ。お望みどおりな!

数ヵ月後

「元気な男の子です!」

おじさんっぽい声がそう言った。

僕は悲しくもないのに、大声で泣いている。

ゆっくり目を開けると、男と女が僕を見つめていた。

どこか懐かしい人達。

男は優しい声で言った。

「逃げられると思ったのか」

意味がわかると怖い話の解説
「逃げられると思ったのか」

imi
imi

父親の暴力に耐え切れずに自殺をしたのに、

母親の元に生まれ変わってきてしまったんですね・・・

赤ちゃんのときに記憶がある語り手も語り手だけれど、
「逃げられると思ったのか」って、生まれ変わったことがわかったんですかね・・

怖いけど不思議な話

-IMI-

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「逃げられると思ったのか」の解説・感想

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