中級

敵国兵

投稿日:

A国が、敵国と戦争をしていた頃の話。

私はA国兵として、前線で戦っていた。

命令は単純で、「敵国兵を見つけたら皆殺しにせよ」である。

その命令通り私は敵国兵を何人も殺し、成果を挙げてきた。

しかし私は、ふとした隙を突かれて敵国兵に捕えられてしまった。

捕まった私は敵国の城まで連行され、牢へ入れられた。

私は牢の見張りが1人になった時を狙い、その見張りの兵を殺した。

そして服を奪い、それを身に着けることで脱獄に成功した。

敵国は甘い。

捕えた時点で私を殺していれば、このようなことは無かったのだ。

私が脱獄したことに気づいた兵は1人もいなかった。

だが、牢で1人の兵士が倒れているのが発見されるのも時間の問題だろう。

一刻も早く、私は城から遠ざかる必要がある。

私は急いでA国軍の前線を目指した。

あれから何日歩いただろうか。

食べる物もなく痩せこけ、髪を振り乱した姿は惨めであるに違いない。

私はこのままA国軍に合流すること無く、力尽きてしまうのだろうか。

そう思っていた矢先、遠くにA国の旗を見つけた。

私は喜び、その旗を目指して最後の力を振り絞り、走った。

これでやっと私は、A国軍の前線へ合流できるのだ。

-中級

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

水くれ

去年の夏、福井県の某キャンプ場に友人四人で行った。 そこは目の前がすぐ海水浴場になっているため、 海のシーズンになると毎年このメンバーで訪れるキャンプ地だった。 夏の海を堪能し、夜はお決まりのバーベキ …

妊娠

ふと切ない気持ちになり、台所に向かった。 台所で、妻が食事の支度をしている。 ご飯はもう少し待って、という妻に、おなかに触っていいか、と尋ねた。 痩せて華奢な妻の体は、腹部だけが異様に張り出している。 …

妹の日記

少女は11歳だったが、病死した。 家族も友人も近所の人も皆悲しんで葬式に出た。 14歳の兄が少女の部屋へ行くと、 机の一番上の引き出しの奥に日記帳が入っていた。 日記の最後のページは、 少女が死んだ日 …

ボタンに気を付けよう

ボタンには気を付けたほうがいい。 何故かって?そりゃあんた・・・ パチンコのスロットボタンや駅のキップボタン、自販機のボタンも危ないな 元は数個だけのボタンで一斉に押すんだけど。 押すやつはかなりの精 …

もう見えるぞ

『もう見えるぞ。もう見えるぞ。紙と筆をもってこい』 が、臨終の言葉だったうちのじいちゃん。 未だに親類の語り草になってる。 俺は直接は聞けなかったけど、想像すると怖すぎる。 じいちゃんが死んだのは俺が …

PREV
喧嘩
NEXT
彼氏