姉の出産後

姉が出産後 

実家に帰ってきた時の話 

二階で寝ていたら 

姉の子供の夜泣で起こされた 

部屋が隣だから正直うるさい 

一度起きてしまったら 

なかなか、寝付けない体質なので 

一階の冷蔵庫へ酒を取り行ったんだよ 

一階の電気を付けなかった俺も悪いんだが 

冷蔵庫の前に子供がいてぶつかりそうになった 

かなり焦ったわ  

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占い

昨日、ツーリング仲間と出発前に占い師の店にいったんだよ。

俺はそういうの信じてないんだけどね。

したら占い師がいうには

「あなたは心臓が止まって死ぬね」

って言われてるだよ。

そんなの当たり前ジャン!

とか笑いそうになったんだけど、

ぐっとこらえて次は俺の番。

「あなたは死んでも心臓が止まらないね」

とか苦しそうな顔しながら言われてさ。

俺ゾンビになるのかよ!

と思ったらさすがに笑い出しちゃって、そこで退散。

まーお前らもインチキ占い師には気をつけろってこった。

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妹の日記

少女は11歳だったが、病死した。

家族も友人も近所の人も皆悲しんで葬式に出た。

14歳の兄が少女の部屋へ行くと、

机の一番上の引き出しの奥に日記帳が入っていた。

日記の最後のページは、

少女が死んだ日の前日のものだった。

日記にはこう書かれていた。

例えば私の一番好きな食べ物がイチゴであるように、

例を挙げればきりが無いけど、誰にも好き嫌いはあるんだと思うの。

咲く花も散る花もでもみんなとてもきれい。

ろくでもない花なんて絶対にないと思う。

子供だって大人だってみんな花のようなものなの。

人間はみんな花な

んだとつくづくそう思う・・・。

さあ私も花なんだからきっと散る日もくるんだと思うけどそれまでは精一杯生きよう。

新しいことを始めたい。

かわいくなりたい。

大人になってみたい・・・。

兄は妹の日記を読んで泣いた。

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車の中で目覚めた

朝、車の中で目覚めた。

昨夜は重労働だったもんだから

ついつい車を路上に停めて寝こんでしまったのだった。

あくびしながら後部座席から身を起こすと、

両耳から聞こえてくるどよめきとざわめき。

眠い目をこすりつつ窓外を見るとそこには、

車を取り囲み俺を物珍しげに観察する人だかり。 

なんだなんだ?車の中で寝ちゃいけないのか? 

俺の寝るさまがそんなに珍しいのか? 

怒鳴りつけてやろうと体勢を整えようとすると何やら、

ビニールずれの音。 

衣ずれ、ならぬ、ビニールずれの音。 

見ると俺の体は青いビニールシートにすっぽり包み込まれている。 

思い出した。 

昨夜重労働で汗をかいたまま寝ようとしたところ 寝冷えそうだったので防寒しようとした。 

しかしあいにくカーエアコンの調子は悪く、手近に毛布もなかった。 

そこで重労働に用いた青いビニールシートに身を包んで眠りについたのだった。 

見た目とは裏腹に意外なぐらい保温性があるものだから寝入ってしまった。 

それこそ死んだように寝入ってしまった。 

そんな、『ビニールシートに包まれて死んだように身動きしない俺』を見て

『死体』と勘違いしたあわて者が騒ぎだして人を呼び、人が人呼び、 結果、この人だかりができたのだろう。 

身動きした俺を見てどうやら勘違いだったと悟ったらしく、 

ほっと胸をなでおろして苦笑しつつ三々五々散ってゆく人だかり。

あぶなかった。 

もう少し目覚めるのが遅ければ きっと警察沙汰のてんやわんやの大騒ぎになっていただろう。  

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雪山で遭難

雪山で遭難したあるグループの話

A「だから俺は反対したんだ!」

B「今更そんなコト言ってもしかたないだろう!」

D「うるせーぞ!」

E「落ち着け、喧嘩しても腹が減るだけだ」

F「また食料も尽きかけてるんだ・・・焦るのも分かるが」

G「ガクガクブルブル・・・」  

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誰かの寝息

その子にはお姉さんがいて、二人とも少し霊感があるらしい。

夜は同じ部屋で寝てたそうだ。 

ある日、彼女は寝苦しくて、なかなか寝付けなかった。

そして、しばらくして変なことに気付いた。

二人が寝てる足元(布団で寝てた)から、 別の誰かの寝息が聞こえる。

恐くなった彼女はお姉さんを起そうと声をかけた。

「ねぇ、お姉ちゃん・・・」 

するとお姉さんも寝ていなかったらしくて 

「しっ!言わないで。私にも聞こえてる・・・」  

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5000円札を盗まれた

学生の頃、5000円札を盗まれたことがあった。

体育の時間の後のことだった。

「先生!お金を盗られました!」

その一言で授業は中断。

かくして犯人探しが始まった。

物々しい雰囲気の中、全員財布の中を出した。

5000円札が入っていたのは3人。

緊迫した空気になった。

そしてとどめの一言。

「お札の右下に小さく名前を書いておいた」

犯人は見つかった。

そいつは俺を泣きそうな目で見てた。

俺は目を背けたよ。

そいつは停学処分に処されたらしいのだが、ことがことだからな。

学校にいずらくなったらしく、自主退学ということでやめてしまった。

まぁ、めでたしめでたしっていうわけだ。

それにしても驚いたよ。

まさか札に名前が書いてあったなんてな・・・・・・・全然気付かなかったよ。

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転校生

中学三年の時、Aという男子の転校生がうちのクラスに来た。 

席が俺の隣になったので、休み時間に話しかけたらすぐに打ちとけた。 

お互いの家族構成なんかを話してると、 

ずいぶん前に死に別れた姉がいたことを教えてくれた。 

神経系の難病だったらしく、 

意識はしっかりしてるんだけど身体は動かなくなっていき、 

最期の数年間は寝たきり状態で、 

よく「死にたい死にたい」と言ってたそうだ。 

ずいぶん重い話を初対面で話すんだなあと思ったけど、 

まあ心を許してくれたんだから良い友達になれそうだなと思い、 

放課後、一緒に帰るついでにAの家に遊びに行くことにした。  

Aの家は新築の、まあどこにでもある小さな建売住宅だった。 

両親とも共働きで夜まで一人なんだとAは言うと玄関の鍵を開け、 

俺も一緒に家に入った。 

しばらくAの部屋でゲームとかして遊んでたんだけどすぐに飽きて、 

進路の話をしたりAが以前いた学校のことを聞いたりしてた。 

そんな話の流れの中で、俺は何気なく

 「そういえばAの死んだお姉さんてさあ・・・」 

って言葉を、ほんと何気なくなんだけど口に出した。 

そうしたらAの顔が一瞬変わって 

「もうその話はいいだろ!」 

と強い口調で言ってきた。 

俺も、言い方がまずかったのかなと思ってごめんと謝ったんだけど、 

なんか場の空気もしらけて、気まずくなって俺はすぐに自分の家に帰った。 

次の日Aに話しかけたらまた打ち解けた雰囲気が戻っていて、

Aも「昨日は怒ってごめん」と謝ってきて、 

まあそれからは普通に友達として仲良く接していた。 

一週間ぐらい経ったある日、Aが学校を休んだ。  

先生の話によると、 

昨晩、ずっと寝たきりだったAのお姉さんが自宅のベッドで亡くなったそうだ。  

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彼のおかげ

「私たち幸せね・・・」

『そうだな・・・』 

今日は記念日、二人はワインで乾杯した 

「私たちが幸せなのも彼のおかげよね」 

『ああ、全くだ』 

「こうして思い切り贅沢な暮らしが出来るのもぜーんぶ彼のおかげ」

『そう、彼のおかげだ』  

『あいつは今でも時々お前に会いに来るのか?』 

「ええ・・・そうね」 

『何か言ってたか?』 

「いいえ、別に・・・」 

『ハハハ、そうか・・・たまには俺の所にも顔を出せって言っといてくれよ』 

「それはどうかしら・・・ほら、貴方って鈍感だから・・・」

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逃げられると思ったのか

勉強もできず、人とのコミュニケーションも下手。

こんな僕は、誰にも必要とされていないんだろう。

家では父のサンドバッグ。暴力はエスカレートしていく。

とても悲しかった。

「逃げられると思ったのか」

家出をしても、すぐに見つかった。いつもの倍殴られた。

とろい僕が悪いんだ。

妊娠している母は、姉と楽しそうに話しながら夕食を作っていた。

こんな辛い生活も、今日で最後だ。

意識が徐々に薄くなっていく。

こうすることを、望んでいたんだろう。みんなが、僕が…

ああ、死んでやるさ。お望みどおりな!

数ヵ月後

「元気な男の子です!」

おじさんっぽい声がそう言った。

僕は悲しくもないのに、大声で泣いている。

ゆっくり目を開けると、男と女が僕を見つめていた。

どこか懐かしい人達。

男は優しい声で言った。

「逃げられると思ったのか」

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