初級

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二十歳の誕生日

俺の二十歳の誕生日に、彼女がお祝いをしたいというので待ち合わせ場所に行った。なぜかいつもと違う、静かな山道の入口付近が待ち合わせ場所だった。確か、心霊スポットとしても有名な山道だったように思う。車を止め、彼女の到着を待っていると知らないアド...
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電話での会話

「よう!久しぶり!」「久しぶり…ゴホ!ゴホっ!」「どうした?風邪か?」「ああ悪性のインフルらしい。今、家で寝てるとこ」「インフルかよ。物騒だな。気をつけろよ」「本当最近物騒だよ。近所では通り魔事件が多発してるらしいし」「何だそれ」「何でも突...
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交通事故

今朝、バイト行く途中で交通事故の現場にでくわしてしまった。ついさっき起こったばかりみたいで、壁にめり込んだ車から煙が上がってる。車は酷い状態で、こりゃ乗ってた人ヤバいなと思ってたら声がすんの。よく見たら窓があっただろうひしゃげた部分から女の...
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白いワンピースの女

「日本人は女の霊を怖がるから和製ホラーの主役は女の霊が多いんだ」とネットで読んだウンチクを話した。姉貴はあんまり興味無さそうに「ふーん」と言った。数日後、俺が学校から帰ってくると居間の窓から白いワンピースを着た女の姿が見えた。顔は判別できな...
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元彼

元彼はとにかく束縛がひどかった。あたしが友達に送るメールの内容とかも、逐一確認してきた。それが原因で別れて、今は違う人と付き合ってる。でも、いまだに元彼が家の前に待ち伏せてたり、あたしの後を付けてきたりする。今もその元彼があたしの家の近くの...
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潔癖症

潔癖症の男がいた。ある日男は椅子の上に立ち、上から部屋を見渡していた。普段見えない場所にかなり埃がが溜まっていた。冷蔵庫の上蛍光灯の傘の上「今は掃除しなくていいか」そう言って男は椅子から降りた。
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靴屋さんに手紙

ある日の夕暮れ、一人の少女が通りを歩いていると、杖をついた盲目の男が声をかけてきた。「この手紙を靴屋さんに届けてくれませんか?」少女は困っている人を助けたいという思いから快く引き受けた。男との別れ際、何気なく振り返ってみると、盲目のはずの男...
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金持ちの庭

ある金持ちの男が散歩をしていると道端で雑草を食べている小汚い男に出くわした。「なぜ君は草なんか食べてるんだ?」「貧しくて食料を買う金がないんです。」「それは可哀想に。今からうちに来なさい。ご馳走するよ。」「ありがとうございます。家で腹を空か...
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救いの薬草

母親と二人暮らしの少年がいました。ある日母親が病気で倒れてしまいました。少年は一生懸命看病しました。医者はもって1年だろうと言いました。少年は母親を助けたくて色々な人に話を訊きました。とある旅人が教えてくれました。北の山にどんな病気や怪我を...
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肉を全て

「ここにある肉を全て食べないと罰として貴方を殺します」密室の中に響く無機質な声。何を馬鹿なと言いたいが相手が真剣な事は周りの死体が物語っている。俺は巨大な皿に山盛りの肉を見て思う。残念だが俺は大食いに自信がある!皿を空にし声高に宣言する。「...